25 Jul 2015
しんです。
相変わらず妖怪ウォッチが大人気で世間を騒がせています。子どもたちの人気キャラクター第1位として長らくその座に君臨してきた「アンパンマン」を遂に抜き「妖怪ウォッチ」が第1位となりました。
今はUSJで行われている妖怪ウォッチ・ザ・リアルが大盛況で大混乱ですが、ここに行き着くまでのレベル5と電通によるマーケティングを振り返ってみましょう。
妖怪ウォッチ・ザ・リアルはクロスメディア戦略+プロダクトローンチだった!!
まず、妖怪ウォッチは大人気キャラクターですが元々そうなるように仕込まれていました。近年ポケモンなどに代表されるクロスメディアと呼ばれる商法が台頭してきて、大掛かりで何年にも渡るプロジェクトが成功を収めてきました。
国内に「電通」という広告業を中心とする超大手企業があります。電通が考えるクロスメディアは、自社が持つ多方面の情報発信インフラを使い積極的なコミュニケーションを仕掛けるというものです。
従来はメディアミックスと呼ばれる戦略が主流でした。メディアミックスは、テレビ、ラジオ、インターネット、モバイル、新聞、雑誌、漫画、駅のホーム、つり革、ショッピングモールなど、あらゆる広告を使いターゲットへ同時に発信していく発想で、どちらかと言えば囲い込みのようなアメリカ的思想です。
日本人は殻の中に閉じこもっていることが多く、自分からあまり外の情報に関心を持たない民族です。売り込まれていると思うと、絶対に殻の外に出ることはありませんし、同時に大量の情報を押し付けられても困ってしまいます。私がそうです。笑
しかし、ちょっとしたことや面白そうなことや興味あることを少しずつ刺激されるとさまざまな行動を起こします。この民族性を知り尽くしている、正にマーケティングの神と呼べるのが「電通」です。
つまり電通式クロスメディア戦略とは、ターゲットを自ら動かすための導線づくりとも言え、最初のキッカケからどんどんプロダクトにどっぷりハマっていく流れを誘導する戦略なのです。
ここと組んだのが、妖怪ウォッチを生み出した企業「レベル5」敏腕社長こと「日野晃博」氏です。様々なメディアに登場し、今や時の人です。妖怪ウォッチ・ザ・リアルのUstreamによる記者会見は圧巻でした。社長自身の生き様も非常に参考になります。ドキュメンタリー番組なども組まれました。
この2社を中心に、多くの協賛企業により進められた妖怪ウォッチ戦線は正に成功するべくして成功を収めました。私たちは年齢関係なく、テレビや雑誌や電車で何気なく見た妖怪ウォッチが気になり、スマホで調べ、再び町中で見かけ、どんどん興味関心が湧いてきて好きになります。
何処へ言っても妖怪ウォッチがあるのですから当然です。家族揃って妖怪ウォッチの話題で持ちきりになります。そして夏休みに向けて少しずつテレビなどで情報を流します。最後にUSJのアトラクションでローンチです。
完璧なマーケッターと言えるでしょう。事実、USJの妖怪ウォッチ・ザ・リアルでは超人気すぎて暴動、クレームが起きるほどの大混乱、大混雑で大変な騒ぎになっています。
ビジネスで大切なことは
最後のローンチでプロダクトに価値がなければ、お客さんは怒ります。それは当然ですよね。詐欺だボッタクリだと訴えます。それでは「Product Launch」ではなく「Crap Launch」(ガラクタの押し付け)です。しかし本当に価値ある商品があるのでしたら、それを心待ちにしている人が必ず存在します。
価値ある本物の商品 ⇔ 必要としている人
ここを結ぶ最強の商いの法則が、プロダクトローンチです。あなたのプロダクトローンチによって心から救われる人がいるとしたらどうでしょう?壮大な気持ちになりませんか?奮い立ちませんか?
ビジネスは崇高です。